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 第 9 回 日展 「授賞作品」

日本画・洋画・彫刻・工芸美術・書
「授賞作品」

公益社団法人 日展
(令和 5 年 4/21~ 5/7 富山展
富山県民会館美術館) 
巡回展は終了しました。

第 9 回 日展  ('2022 11/4~11/27) 国立新美術館 東京・開催。

第九回日展を開催するにあたって 四期八年の長きにわたり大改革をなさって下さりました奥田小由女前理事長の後を引き継ぐという大変重要なお役を賜り緊張いたしております。
 日本の文化振興のため、西洋諸国に追いつけ、追い越せの大号令の中で生まれた文展、帝展そして日展となり現在に至ったこの歴史ある日展は、すばらしい数多くの芸術家を輩出しているだけでなく、芸術がいかに人々に、日々の生活に大切であり、生きる勇気をも与えているか、日展も常にその役割を務めていることを改めて感じています。
 今、日本中がなかなかコロナの収束しない状況で、世情が不安定になっております。 この様な時こそ芸術の力、日展の力をもって世の中の人々にときめきを与えられる様、日本画、洋画、彫刻、工芸美術、書の五科が総力を挙げて懸命の努力をいたし第九回日展を開催することになりました。
 どうぞ皆様のご支援を賜りますようお願い申し上げます。
(公益社団法人 日展 理事長 宮田 亮平) ― 「No.182 日展ニュース」 より抜粋文章― 


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村居 正之《黎 明》
町田 博文《雪湖畔》
山田 朝彦《道標―2022―》
宮田 亮平《シュプンリンゲン22-2》
黒田 賢一《寒き夕べ》

村居 正之
公益社団法人 日展
日展理事
日本芸術院会員
大阪芸術大学教授
9th 《 黎 明 》
日本画

町田 博文
公益社団法人 日展
日展理事
9th 《 雪湖畔 》
洋画

山田 朝彦
公益社団法人 日展
日展理事・審査員
日本芸術院会員
9th 《 道標―2022― 》
彫刻

宮田 亮平
公益社団法人 日展
日展理事長
日本芸術院会員
前東京藝術大学学長
前文化庁長官
9th 《 シュプンリンゲン22-2 》
工芸美術 [鍛金・鋳金]

黒田 賢一
公益社団法人 日展
日展副理事長
日本芸術院会員
9th 《 寒き夕べ 》



第 9 回 日展 「授賞作品」
文部科学大臣賞・内閣総理大臣賞・東京都知事賞


文部科学大臣賞( 2 名)


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日本画《緑韻に白く》長谷川 喜久

文部科学大臣賞 日本画 《 緑韻に白く 》
長谷川 喜久 会員・審査員


 強い光と深い影のコントラストが極めて印象的な作品である。
 日本画ならではの絵具の発色と輝き、あるいは深みと物質感を発揮しながら、
実に象徴的な画面に仕上げている。
 決して派手で、強く自己主張する絵画ではないが、静かに観れば観るほど、
深く豊かな味わいを感得できる絵である。



文部科学大臣賞 洋画 《 瀬 音 》
大友 義博
 会員


日展はアカデミズムを標榜する団体である。
洋画部(二科)は、互いに競いあいながら今日の盛況を見るに至った。
今回文部科学大臣賞を受けた作者は、東京藝大で本格的な基礎を固めた後、
写実の王道を歩いて今日に至っている。
 今後の日展、そして洋画界をになう画家の一人であり、
この「瀬音」も絵画表現と併せて、音響の世界迄も画面にとり込み、
若い女性のみずみずしい生命と共鳴させている秀作である。

洋画《瀬 音》大友 義博


内閣総理大臣賞( 3 名)


彫刻《無垢の予兆》中原 篤徳

内閣総理大臣賞 彫刻 《 無垢の予兆 》
中原 篤徳 会員


 塑像の石膏作品だが、白一色の表面のディテールに工夫が凝らされ、
単純な立像ながらユニークなニュアンスを生み出している。
 衣装のラフな表現も手足や顔の造作との巧みな対比をなしている。
伝統的な技法を、今日的なカジュアルな若者の姿と結び付けている点を評価したい。



内閣総理大臣賞 工芸美術 [磁] 《 神々の座 「天叢雲」 》
山岸 大成 
会員・審査員


現代の感覚を反映する日展工芸の取り組みを象徴する作品である。
青白磁による複雑な構成は、非凡な造形力と高い技術に支えられている。
その一方で、作品名が示すように、
古代から連綿と続く我が国の美や歴史への意識が、
壮大なロマンを感じさせるのも魅力の一つである。

工芸美術《神々の座 「天叢雲」》山岸 大成


書《元好問詩句》中村 伸夫

内閣総理大臣賞 書 《 元好問詩句 》
中村 伸夫
 会員・審査員


 紀元前に用いられた古代文字を素材として、
遒剄な趣きの中に軽妙な筆致を織り交ぜ、
 書は凍てついた音楽といわれる一回性を改めて認識させて
くれる力作である。



東京都知事賞( 5 名)


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日本画《雨ニモ…》能島 浜江

東京都知事賞 日本画 《 雨ニモ… 》
能島 浜江 会員


 着想のモダンさに顔料の厚みの表現性が強調され、
日本画の可能性を照らす作品と言ってよい。
 雨の直線と箔押しの装飾性も効果をあげている。
 濡れることをいとわない溌剌とした心情、
新しい世界を創りたいという気概にあふれている。



東京都知事賞 洋画 《 時を超えて 》
渡邊 裕公
(本名:博明) 会員


 伝統の中に改革する描法としてボールペンを使って細密に表現してきた。
新しい技法を確立して新鮮な情感が生まれた。
今回の作品は美しい明るい優秀な作品である。

洋画《時を超えて》渡邊 裕公


彫刻《ヤマトオグナの御子》村山 哲

東京都知事賞 彫刻 《 ヤマトオグナの御子 》
村山 哲
 会員・審査員


 古事記の世界の人物を、現代に生き生きと蘇らせた説得力のある作品である。
 漆を用いた古色の色合いが、効果的に作品をひき立てており、
作者の秀でた技法と独自の表現世界が評価された。



東京都知事賞 工芸美術 [陶] 《 威 ― 追憶の抄 》
加藤 令吉 
会員・審査員


手びねりの造型-的確なフォルムは今は亡き者の追憶をしております。
装飾は黒織部のデザインと黒泥彩と線象嵌により、
意匠の形とも協和が生まれ、
未来への明るい光明を表現している土による造形の秀作である。

工芸美術《威 ― 追憶の抄》加藤 令吉


書《風憐目》綿引 滔天

東京都知事賞 書 《 風憐目 》
綿引 滔天
(本名:浩一) 会員


 全体的に先ず構成美を感じさせる作である。
疎密に十分な配慮をされ清明さを見事に表現、
更に古代文字を現在に蘇らせた技術に驚くばかりである。



・作品受賞理由の批評は日展評です。
(陳列点数、日本画 285点、洋画 670点、彫刻 218点、工芸美術 575点、書 1,232点 合計 2,980点)



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